車種一覧

初期のボルボ

ボルボÖV4/PV4(1927年 - 1929年)

ボルボ初の量産車である2ドアオープンボディーで5人乗りのÖV4、4ドアクローズドボディーで5人乗りのPV4、ピックアップで2人乗りのÖV4TV、の3種のボディーバリエーションがある。またシャーシーのみでの販売もされ任意のボディー架装も可能であった。ÖV4/PV4共に28馬力を発揮する1940ccの4ストロークサイドバルブ4気筒ガソリンエンジンを搭載し、前進3速、後進1速のトランスミッションを持つ。最高速度は90km/h。

ÖV4はしばしばヤコブと呼称されるが、本来は1926年に製造された10台のプロトタイプのうち黒塗装の個体のニックネームがヤコブである。

ボルボ600シリーズ(1929年 - 1937年)

6気筒エンジンを搭載するシリーズ。車種名称の数字は、気筒数/乗車定員/開発番号で表されている。シリーズは大別して、5人乗り4ドアセダン、タクシー仕様の7人乗り4ドアセダン、でありそれぞれシャーシーのみでの販売もされた。

5人乗り4ドアセダンはPV651/PV652/PV653/PV654/PV658/PV659およびシャーシー販売のPV650/PV655/PV656、7人乗りタクシー用4ドアセダンはTR671 / TR672/ TR673/ TR674/ PV676/ PV678/ PV679/ TR701/ TR703/ TR704およびシャーシー販売のTR670/ PV675/ PV677/ TR702である。

ボルボPV36 Carioca(1935年 - 1938年)

ボルボで初めてボディ形状に流線型を取り入れると共に、リアシートを拡大するなど快適性の向上を目指した。PV656のシャシーに2ドアクローズドボディーを持つ高級車であり500台の限定生産車であった。

ボルボPV50(1936年 - 1945年)

PV36の流線型デザインを取り入れた6気筒エンジン搭載の4ドアセダン。PV51およびデラックス版のPV52、改良型のPV53/PV54とそのデラックス版PV55/PV56、と車種展開された。PV51/PV57はシャーシーのみでの販売もされたため、2ドアカブリオレ、ピックアップ、などの架装がおこなわれた。

ボルボPV800シリーズ(1938年 - 1958年)

4ドアクローズドボディーに6気筒エンジンを搭載する8人乗りタクシー仕様車。タクシー仕様600シリーズの後継車種である他シャーシーのみでの販売もされ、また戦火の拡大から軍用車両もシリーズとして派生した。

ボルボPV60(1946年 - 1950年)

6気筒エンジン搭載の4ドアセダンであり、PV50の後継車種。第二次世界大戦中に計画が中断され、1945年から生産された。

第二次世界大戦後の車種

ボルボPV444/544(1947年 - 1965年)

第二次世界大戦の終結後を見据えて開発された小型の2ドアセダンであり、4気筒ガソリンエンジンを搭載する。PV444が1947年 - 1958年、改良型のPV544が1958年 - 1965年に生産された。PV444の新車発表は第二次世界大戦末期の1945年2月に行われたが生産体制が整わず、1946年末に生産が開始された。両モデルを合わせて44万台が生産された。

ボルボP1800(1961年 - 1973年)

イタリアのカロッツェリアであるカロッツェリア・ギア社のデザインによる流麗なボディを持つ2+2クーペ。1971年からはシリーズに3ドアのスポーツワゴンであるP1800 ESが追加された。

ボルボ120(アマゾン)(1956年 - 1970年)

PV444をベースに発展させ、ボディを一新している。1959年式以降からは、同年にボルボ社が特許を取得した三点式シートベルトを世界に先駆けて全車に標準装備した。のちに、後部座席にも三点式シートベルトを採用。ダッシュボードをパッドで覆ったり、運転席のヘッドレストも標準装備として、現在標準的な乗員保護装置の先駆けとなった。約70万台が生産された。なお、アマゾンの名称は商標の関係でスウェーデンのみであり、他国では120が正式名称となる。

ボルボ142/144/145・ボルボ・164(1966年 - 1974年)

ボルボ120をベースにボディを一新した。安全性のために設計されたモノコックボディの車体前後にクラッシャブルゾーンを設け、事故時に折りたたまれるように潰れることで、乗員保護が図られている。車内装備にも、サンバイザーや天井に柔軟な素材を採用するなど、乗員保護のための工夫が行われている。また、ブレーキにフェイル・セイフ・システムを採用し、安全性を高めている。

ボルボ・240・ボルボ・260(1974年 - 1993年)

堅牢なロングセラー車。140/160シリーズのボディをもとに、前後にジュラルミン製の大型バンパーを追加した。PV444からほとんど変化することの無かったフロントサスペンションがダブルウィッシュボーンからマクファーソンストラットへと変更され、より幅広いV6エンジンの搭載を可能とした。最終的にはV8エンジンまで搭載することが予定されたが、これは実現しなかった。ツーリングカーレース(グループA)での240ターボの活躍から「Flying Brick(空飛ぶレンガ)」と称された。無骨な直線基調のデザインは、文字通り「レンガのようなデザイン」であり、ボルボは四角いというイメージを植え付けたモデルである。2.0リットルから2.3リットルのエンジンを搭載した240シリーズ(ステーションワゴンが有名)とPRV(プジョー、ルノー、ボルボ共同開発)のV6エンジンを搭載する260シリーズ(ベルトーネデザインのクーペ262Cやリムジンも存在した)から成る。当初は末尾の0の数字をセダンは4、エステートは5としドアの枚数とする呼び方をした。

ボルボ300シリーズ(1976-1991年)

オランダで製造された後輪駆動小型車で、3ドアハッチバックの343と5ドアハッチバックの345、4ドアセダンの360(1983-1991年)からなる。1988年頃の英国では、よく見られた、ごく一般的な車種の一つで、フランスではファミリーカーと分類される。 日本には360GLEの右・左ハンドル(5MT)仕様車が正規輸入された。冷房も効く、日本仕様車である。

ボルボ400シリーズ(1986-1996年)

300系の後継車。FF方式を採用する小型車。4ドアセダンの460と5ドアハッチバックの440、そしてリトラクタブルヘッドライトが印象的な3ドアハッチバックの480の三種類。 日本では1989年モデルのターボ車のみ300台が正規輸入された。そのうち、左ハンドルマニュアル車が295台に対して、右ハンドルAT車はわずか5台だった。

ボルボ700シリーズ(1982 - 1992年)

ボディは4ドアセダンとエステートと呼ばれるステーションワゴン。サスペンションはフロントストラット、リアはボルボがコンスタントトラックと呼ぶ5リンクリジット。760の末期モデルはセダンのみマルチリンクとなった。4気筒の740、6気筒の760の2レンジ。このうち日本に導入されたのは740GLT(2リットルSOHCターボ)、740GL(2.3リットルSOHC)740GLE(740GLの豪華装備モデル)、740GLE 16VALVE(2.3リットルDOHC)、740ターボ(2.3リットルSOHCターボ)。740ターボには特別仕様車としてエンジンパワーを向上させたターボプラスが存在。760GLE(2.8リットルSOHC)、760ターボ(2.3リットルSOHC直列4気筒ターボ)、760GLEターボディーゼル(2.4リットル直列6気筒ターボディーゼル)。760GLEのエンジンはプジョー、ルノー、ボルボ、3社の共同開発によるV6、ターボディーゼルのエンジンはフォルクスワーゲン社製である。ターボディーゼルは初期にごく少数が輸入されたに過ぎない。また、88年から91年にかけて、イタリア・ベルトーネ社のデザイン・架装による耽美な2ドアクーペ、780が存在した。780は760をベースとしており、PRV製V6/2.8Lエンジンが搭載されていた。しかし、イタリアで組み立てが行なわれていたせいもあり、価格が非常に高く、販売台数は少なかった。

ボルボ940(1990 - 1998年)

900シリーズは、上記の700シリーズの改良版である。主に、側面衝突に対応するSIPSやエアバッグの導入など安全面の改良であり、エンジンやサスペンションの構成はほぼ変わらない。ボディー形状は、セダンのCピラー以降が変更されているが、エステートは700シリーズ後期モデルとほぼ見分けが付かない。日本に導入されたのは、940GL(2.3リットルSOHC)、940ポラール(2.3リットルSOHC、96年式よりロープレッシャーターボ)、940GLターボ(2.3リットルSOHCターボ)、940GLE(2.3リットルSOHCターボ)、940GLE 16VALVE(2.3リットルDOHC)、940ターボ(2.3リットルSOHCターボ)、940Classic(2.3リットルSOHCターボ)など多岐に渡る他、940ターボSEを始めとする特別仕様車が存在する。直列4気筒SOHC2.3リットルのB230エンジンにはNAとターボが存在し、ターボは135PSのロープレッシャー型、165PSまたは190PSのハイプレッシャー型の仕様があった。「ターボ+」により出力強化された190PS版は、SEなど特別仕様車の他、製造年によってターボに標準搭載された。

ボルボ960(1990 - 1997年)

960、960EX、960EXロイヤル、960 24VALVE、960ロイヤル、960 3.0-24V、960 2.5-24V、960リムジン、が展開された。当初PRV製V6の2.8Lユニットが搭載されていたが、92年モデル以降は、新開発されたボルボオリジナル直列6気筒DOHCの3.0Lモジュラーユニットに変更された。95年モデルとしてビッグマイナーチェンジが行われ、フェイスリフト、2.5Lモデルの追加を受けた他、サスペンションの大幅変更が行われた。リアサスペンションの変更ではセダン/エステート共に、横置きリーフスプリングの材質にCFRPを使うマルチリンクというコンパクトさを追求した独創的な型式に改められた。これに伴い、荷室空間確保のためコイルリジットであったエステートも独立懸架の足回りを得た。

ボルボS90/V90(1997 - 1998年)

960シリーズの名称変更モデル。後期960とともに、現在、FRレイアウトと4輪独立懸架の足回りを踏襲した唯一のボルボ車であり、FRボルボの集大成とも言える。日本市場では、97年モデルとしてベースグレード、2.5、3.0、3.0E、それにロングホイールベースのS90 Royalが存在した。98年モデルは、最終限定車としてClassic(3.0L)のみとなり、S90限定100台、V90限定500台が販売された。

ボルボ・850(1992 - 1997年)

中型車としてはボルボ初のFF車。ストレート5を横置きに搭載する珍しいレイアウトを取る。当初は4ドアセダンのみで後にエステートと呼ばれるワゴンが追加。サスペンションはフロントストラット、リアはボルボがデルタリンクと呼ぶトレーリングリングトーションバー。これまでのボルボとは一転、スポーティーな性格で英国のBTCCなどに出場し当初はワゴンボディで出走し注目を集めた。日本に導入されたのは850GL(当初は850GLE Sタイプのちに850 S2.5その後は850 2.5) 850GLE(のちにドロップ) 850GLT(のちに850 2.5-20V) 850 2.5T(2.5リットルライトプレッシャーターボ) 850 T-5(2.3リットルハイプレッシャーターボ)他に限定車として850T-5R、850R、さらにT-5スペシャルエステート、GLファミリーエステート等がある。エステートに限り2.5Tをベースとして4WDモデルが追加されている。(日本には未導入)また、環境先進車として初めてCNG(天然ガス)・バイオガス等のメタンガスとガソリンの両方が使用可能なバイフューエルもラインナップされた。

ボルボS/V70(1997年 - 2000年)

850のビッグマイナーチェンジモデル。シャーシー構成、エンジンなどは850を継承。ボディデザインは角が落ちS/V90、S/V40シリーズとのイメージの共通化を図る。AWDも日本国内で正式に発売され、高出力の限定車はS70RAWD V70RAWD。

ボルボS/V40(1996年 - 2004年)

小型FF車であるボルボ400シリーズの後継車。オランダ政府、三菱自動車、ボルボの共同出資によるネッドカーで生産され、同時期に生産された「三菱・カリスマ」とプラットフォームを共有する。1999年にオランダ政府、2001年にボルボが資本撤退し、ネッドカーが三菱自動車の子会社となった後も、生産契約により2004年まで生産された。

1998年以降の車種

ボルボC70カブリオレ/クーペ(1998年 - )

初代70シリーズをベースとしたクーペ&カブリオレ。日本ではクーペが先に輸入され、2001年にクーペの代わりにカブリオレが輸入された。 2代目はS40ベースのクーペカブリオレ。日本では2007年に発売された。欧州仕様はガソリンだけでなく、ディーゼルターボの設定もある。

ボルボS80(1999年 - )

ボルボの最上級4ドアセダン。直5、直6エンジンを横置きするFF駆動方式。 ガソリン・ターボ(ロー/ハイプレッシャー)直5ディーゼル・デイーゼルターボ、バイフューエル(LPG/ガソリン<05年まで>・CNG/ガソリン)の多彩なエンジン構成を持つも、日本での販売はガソリンエンジンのみである。 電子制御スロットルの故障多発により、北米では訴訟により保証期間の延長が行われた。日本ではリコール届出がなされておらず、有償修理となる。 2007年にフルモデルチェンジされて2代目に移行し、V8モデルも登場した。

ボルボV70(2000年 - )

1999年にフルモデルチェンジを行い、日本では2000年から2007年まで販売された2代目。丸味を帯びたスタイルとなり、外寸も大型化された。2004年秋に登場した2005年モデルではフェイスリフトが行われた。 2006年モデルでは限定車扱いであったRAWDがカタログモデルとなっていた。 欧州では、ガソリン2000ターボ(日本では市販されず)・2400・2400ロープレッシャーターボ・2400ハイプレッシャーターボに加え、2400ターボディーゼル・ディーゼル(日本発売なし)、CNGバイフューエル、LPGバイフューエル(日本発売なし・テストカーは日本でも走行)がラインナップされていた。 2007年秋から、フルモデルチェンジを受けて3代目となる2008年モデルが市販開始された。

ボルボXC70(2002年 - )

V70をベースとしたクロスオーバーSUVとして登場。初期はV70ファミリーの一グレードとして V70 XCを名乗っていた。オリジナルのV70より最低地上高を上げ215mmとなっており(全高は1560mm)、廃道や林道・オフロード・積雪路面で威力を発揮する。トレッドも45mm拡大されている。AWDシステムは、ハルデックス社の前後輪駆動配分を採用したスタンバイ式を採用している。 スタンバイ式の特性上、ぬかるんだ坂道などでは前輪しか回らないという悪路での走行実験動画や走行安定性試験などの報告も挙がっていたが、現在はプレチャージ機構により改善された。 2007年秋、V70と同時にフルモデルチェンジを受けて2代目が発売された。

ボルボS60(2001年 - )

S80/V70と共通のプラットフォームを持つ中型の4ドアセダン。自然吸気とターボ過給の直5エンジンを横置きする。駆動方式はFF/AWDとも5ATを基本とするが、R AWDについては6ATである。エンジンラインナップはV70と同じである。

ボルボXC90(2003年 - )

北米市場でのSUV好調を受け、三列シートを持つSUVとして設計されたモデル。日本には導入されていないがFF仕様もある。V8、直6、直5エンジンを横置きする。なおV8エンジンはヤマハ発動機が設計生産をおこなっている。

ボルボS40/V50(2004年 - )

ネッドカー(設立当時はボルボ、三菱自動車、オランダ政府の合弁企業)で生産されていたボルボS/V40の後継車である。小型車ラインナップの生産拠点であったネッドカーが、資本の譲渡や撤退により三菱自動車の完全子会社となり、フォード・モーター資本下での後継車の去就が注目されていた。 ベルギーで生産され、横置き4気筒をメインに、中型車と共通の直5エンジンもラインナップする。 プラットフォーム、フロントサスペンション、ブレーキシステム・部品などを、マツダ3(アクセラ)やフォード・フォーカスと共用する。またフォード・フォーカスにはボルボ特有の直5エンジン搭載車種も存在し、この3車種はフォード・C1プラットフォームを介した姉妹車種である。 日本では輸入車としては初めて超-低排出ガス車の認定を受ける。 本国仕様ではFFV(フレキシブル・フューエル・ビーグル)というエタノールとガソリンの混合比が自由な4気筒エンジン搭載車も発売されたが、日本への導入予定は公表されていない。

ボルボ・C30(2006年 - )

S40/V50と共通のプラットフォームを持つ3ドアハッチバック。グラスハッチを持ったスタイリングは往年のボルボ・P1800ESを思わせる。 2006年10月、パリサロンでワールドプレミアが行なわれる。 日本国内では、2007年モデルとして発売された。

ボルボXC60(2008年 - )

3代目V70をベースとしながらも、クーペとハッチバックを融合させたようなエクステリアを与えたクロスオーバーSUV。低速用追突回避・低減オートブレーキ・システムであるシティ・セーフティを世界で初めて標準装備とした。シティ・セーフティの日本市場導入にあたり、国土交通省の技術指針策定のために1年半の歳月を要した。 日本国内では、2009年8月に直6・3.0LターボのAWDモデルのみが2010年モデルとして発売されたが、2.0LターボのFFモデルが2010年8月に追加された。

ボルボV60(2010年 - )

S60/XC60と共通のプラットフォームを持つ中型のステーションワゴン。前出2車同様、流麗なエクステリアが特徴である。ターボ過給の直6エンジンならびにターボ過給の直4直噴を横置きする。駆動方式はFFないしはAWD。ラインナップはS60と同じである。

バス

以下は、日本国内に未導入の車種である。

トラック

AB Volvo

種類 株式会社
本社所在地 スウェーデン
ヨーテボリ
設立 1927年
業種 製造業
事業内容 トラック、バス、建設機械、船舶用エンジン、航空宇宙
代表者 レイフ・ヨハンソン(Leif Johansson)
ボルボ社長兼 CEO
従業員数 100,000名(2007年)
主要株主 ルノー